クレーム対応術 記事一覧
2024年07月12日
先日、歯科の勉強会で
東南アジア系の患者さんが増えてきて
専門用語が多いため
治療内容の説明が伝わらずにトラブルになりそう、
とのご質問がありました。
そこでUDトークを思いつきました。
もともとUDトークは
聴覚障害の方との
コミュニケーションツールとして活用でしたが
翻訳機能が充実してきたので
外国人労働者の方との
コミュニケーションツールとして
お勧めしていました。
ということで
外国人患者さんに治療内容を説明する際も
UDトークが便利です。
その医院さんによって
専門用語が異なりますので
UDトークの中にある単語辞書に
よく使用する言葉を登録したり
公開辞書を登録しておくと便利です。
2024年07月11日
110番通報の3つ目の恐喝罪は
「タクシー代出せ!」
「土下座して謝れ!」
といった脅しの言葉がキーになるそうです。
先日あったお話では
「ネットの口コミに悪口を書いてやる!」ですが
これが恐喝罪にあたるかどうかは
医師会の弁護士さんなどに要相談ですね。
・威力業務妨害
・建造物不退去罪
・恐喝罪
3つの事例を書いてきましたが
怪しい方がいたらいきなり110番通報ではなく
警察に事前相談して
相談記録を残しておくことも大切です。
・こういう方が受診された後、
受付で30分ほど大声で怒鳴っていたのですが
どうしたらいでしょうか。
・1日に5回も6回も診療時間内に電話を掛けてきて、
30分以上も「院長を出せ」と言っていますが
どうしたら良いでしょうか。
・時々医院の敷地内で立小便をしています
などの情報も
近くの警察と共有しておくと
いざという時に動いていただきやすくなります。
スタッフの安全を守るために
110番通報のパターンを
医院全員で共有しておきましょう。
2024年07月10日
災害発生時のBCPの目標は
その1.患者さんを守る
その2.スタッフを守る
にしています。
これは自然災害だけではなく人災も含まれます。
以前、岡崎市医師会で
防災・BCPのお話をさせていただいた際に
医院にうらみを持つ人間が受付から
ガソリンをまいて火をつけた、
という訓練想定のお話をしたところ
その半年後に大阪のメンタルクリニックで
まったく同じ事件が発生しました。
110番通報できるその2は建造物不退去罪です。
患者さんが受診で医院に入ってくるのは
当然不法侵入ではありませんが
建物の管理者側から「出て行ってください」と
お伝えしても建物の中に居座っていたら
建造物不退去罪で110番通報。
受付の言葉としては
「診療時間が終了していますのでお引き取り下さい」
などでしょうか。
愛知県内の実話ですが
通報し警察官が対応してくれた際
逮捕せずに外へ連れ出し
帰る様に説得したそうです。
また、警察官からは
3回は帰るように繰り返し伝えて欲しい、
と言われたこともあったそうです。
つづく
2024年07月09日
カスタマーハラスメントから
一歩踏み出したモンスターペイシャント。
まず110番対応の1つ目が「威力業務妨害」。
以前伺ったお話。
大声で怒鳴りつける患者さん(刺青あり)に
受付スタッフが
「他の患者さんのご迷惑になりますので静かにお話下さい」
と言ったところ
その人は振り返り待合室の患者さんに
「俺のことが迷惑だって言う奴は出てこい!!」
待合室はシーン・・・
「誰も迷惑って言ってないぞ」
となりました。
また、診療が全て終わった後に起こった場合は
“他の患者さんにご迷惑”というフレーズは使えません。
そこで
「受付業務に差し支えますのでお静かにお話しください」
とお伝えします。
「院長を出せ!」
「院長はレセプト処理中です」
という返事でも騒ぎ続ければ
業務妨害になると思います。
しつこい電話を繰り返してくる場合も
「ただ今診療時間中で業務に差し支えますので
こちらから折り返し致しますのでお電話をお控えください。」
とお伝えしても電話を掛けてきた場合は業務妨害ですね。
この様に
“業務に差し支えます”と
しっかりお伝えすることがポイントの1つです。
つづく
2024年07月08日
最近はモンスターが増えている様で
厚生労働省も
「カスタマーハラスメント」の
対応マニュアルを発表されました。
「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」等を作成しました! (mhlw.go.jp)
どういった方がカスハラをするか、
というポイントに
“当初は団塊世代の男性が多い”
という言葉があったようですがカットされました。
(これも、もしかすると苦情があったのかもですね)
スタッフの心と身体の健康を守るためにも
カスハラ対応はしっかりする必要がありますが
ハラスメントの一歩先
スタッフの身の安全を脅かす
リスクのある患者さんに対応する時に
どの様に110番通報すれば良いか。
随分前ですが
(公社)日本医業経営コンサルタント協会の研修で
ケルビム法律事務所の高須先生から伺った
・威力業務妨害
・建造物不退去罪
・恐喝罪
この3つは刑事事件ですので110番通報できます。
つづく
2023年08月03日
歯科医師と弁護士の両方の資格を持つ
小畑真先生のご本
『小畑真の歯科事件簿 患者・治療編』
『小畑真の歯科事件簿2 スタッフ・契約編』
(画像をクリックすると詳しいページに移動します)
最近、矯正治療での患者さんトラブルも
増えていると感じています。
医院側が良くないこともありますが
患者さん側もクレーマーが増えていると感じます。
スタッフもまったく同様で
入職して1日で退職。
教育してもパワハラと訴えてくる、など。
医院側が良くないことも
あると思いますが
スタッフ側もクレーマーが増えていると感じます。
小畑先生のご本で
事前予習しておきましょう。
2022年06月30日
5月25日,27日付のブログでも
“迷惑患者さん”についてを書き
今月のMMPから
クライアント医院様への参考資料に
110番通報できる罪について
まとめたものを入れました。
(MMPと通信コンサル契約をしていただければ
毎月いろいろな情報をお届け致します。)
偶然ですが
『日経ヘルスケア』5月号、6月号にも
待ったなし!医療・介護現場の暴力対策という特集が組まれ
リポートのコーナーでも
相次ぐ患者の迷惑行為、罪の成立要件は
「お前らただじゃすまないぞ」と言われたら脅迫罪?
院内暴力と罪の成立要件などの解説が掲載されていました。
何よりも一番大切なことは
スタッフの身の安全だと思います。
BCPで自然災害に備えるのと同様
トラブル発生に備えて
警察へのご相談、通報も
早め早めにしておきましょう。
2022年05月27日
ケルビム法律事務所の高須先生は
・建造物不退去罪
・威力業務妨害
・恐喝罪
についてお話しされたような記憶です。
<建造物不退去罪>
医院に入ってくるのは自由ですが
建物の管理者側から退去して下さい、
と言って出て行かなければ
建造物不退去罪ですので110番。
診療時間は終了しているのに
治療に納得がいかないなどのクレームを言い続ける
→スタッフから「診療時間も終了していますので
今日のところはお引き取り下さい」とお願い。
愛知県内の事例では
警察の方から
「3回繰り返して言って欲しい」
と言われたこともありました。
<威力業務妨害>
受付で「院長を呼べ」と大声を出して
長時間文句を言う。
ヤ〇ザっぽい患者さんに
受付が
「他の患者さんのご迷惑になりますので
もう少しお静かにお話しください」
とお伝えしたところ
そのヤ〇ザっぽい患者さんが待合室に向かって
「おい、お前ら、俺のことが迷惑か?
迷惑だっていう奴は前へ出てこい!」
待合室は、シーーン。
受付に
「誰も迷惑だと言ってねえじゃないか!」
となるので
「受付で怒鳴られると診療に差し支えますので
お静かにお話し下さい」
とか、「院長を出せ!」と言われたら
「院長は只今診察中で
診察に差し支えますので。」
と。
他には
診療時間中に何回も電話してきて
なかなか電話を切らない場合などでも
「只今診療時間中で
業務に差し支えますので
後ほどこちらから折り返しますので
お電話を一旦お切りします。」
と言っても
再度掛かってきたら業務妨害。
<恐喝罪>
「今日わざわざ仕事を休んで来たのに
何だこの治療は。1日分の日当を払え!」
「わざわざタクシーで来たのに!
タクシー代を払え!」
などの要求をしてきたら恐喝罪です。
でも、「誠意を見せろ」みたいな
抽象的な言いがかりであれば
「誠意とは具体的にどの様なことをご希望でしょうか」と
返事を引き出し
「土下座しろ」「金を出せ」
といった内容であれば恐喝罪。
ブログを書き始めたら
どんどん事例が思い浮かび
長くなってしまいました。
また、申し訳ありませんが
法律の専門家ではありませんので
必要な場合は
記録に残しておいて
警察や弁護士さんにご相談なさって下さい。
2022年05月25日
2022年5月号『日経ヘルスケア』の
巻頭特集が
でした。待ったなし!
医療・介護現場の暴力対策
コロナのストレスもあるのかもしれませんが
最近、多くの医院さんで
困った事例が発生しています。
・受付で怒鳴りだす
・ひっきりなしに電話を掛けてくる
・長い時間ご説明しても理解する気がない
などなど。
『日経ヘルスケア』5月号の中で
元東京女子医科大学付属成人医学センター事務長
大江和郎先生が
相次ぐ患者の迷惑行為、罪の成立要件はという寄稿をされており
「お前らただじゃすまないぞ」と言われたら脅迫罪?
以前
公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会の
研修会で東京のケルビム法律事務所の
高須先生の講義を思い出しました。
大江先生の記事では
患者の迷惑行為に関する法律とのこと。
・強迫的な暴言・・・脅迫罪(刑法222条)
・義務のないことを強いる・・・強要罪(刑法223条)
・罵声や暴言を浴びせる・・・侮辱罪(刑法231条)
・要請しても退去に応じない・・・不退去罪(刑法204条)
「恫喝」は罪にならない
強迫に似た言葉に「恫喝」がある。恫喝とは大声で「脳なしか!」「カス!」「くたばれ」などの言葉を発し、相手を怯えさせることを指す。この恫喝では罪は成立しない。
という4つの罪について
具体的な事例をまとめていらっしゃいました。
つづく
2022年03月02日
このご時世
「医院に恨みを持つ患者さんが
受付でナイフを出したら」
というシチュエーションを練習しておいた方が
スタッフの身を護るために
必要だと考えています。
いろいろな医院さんで
防災、BCPの研修をする中で
災害は「天災」と「人災」とある。
「人災」に関しては
ほとんど訓練をしていないと思います。
今までお話しが出てきているのは
・さすまた
・催涙スプレー
・消火器
の3つです。
正直なところ
受付の女性が
さすまたで悪意を持った男を
壁へ抑え込むことはほぼ不可能で
かえって相手を
興奮させるのではないかと思います。
催涙スプレーをネットで調べてみると
1.ミストタイプ
2.リキッドタイプ
3.ジェットミストタイプ
4.バーストタイプ
5.ジェットタイプ
6.フォームタイプ
と様々な種類がありました。
つづく