会計知識 記事一覧
2024年10月10日
これからはクリニックの窓口会計も
キャッシュレスがどんどん進んでいきそうです。
クレジットカードやICカード決済など
一定の手数料が差し引かれ
損をしている、もったいない、
という声も聞かれますが
・毎日の現金〆チェック
・銀行預け入れ
・両替の手間
を考えるとどうでしょうか。
興味を持ったので計算してみます
・1日80人の患者数
・平均600点
・平均負担2割
支払1200円×80人=96000円
キャッシュレス手数料3%〜5%として
平均4%=3840円の手数料支払い。
9600円のお金を数えてチェック(2人で10分)=残業600円
銀行預け入れは銀行へ往復(残業)=300円
釣銭両替手数料 800円
そして患者さんとのお金の受け渡しが
1人1分で済ませたとしても
80人=80分=時給1800円
ざっくりとですが
合わせて3500円の事務コスト。
差し引かれる手数料と受付事務さんの残業カット
手の空いたぶん
他のお仕事が出来ることを比べると
手数料がもったいないということにはならないですね。
2024年02月27日
日本経済新聞が行った
「数字で見るリアル世論で興味深い数字がいくつかありました。
郵送調査2023」
Q.キャッシュレス決済の利用は?医院でお話をしていると
利用経験あり 69%
利用はないが興味はある 9%
利用はなく興味もない 12%
Q.マイナ保険証の利用は?
利用経験あり 24%
利用はないが興味はある 34%
利用はなく興味もない 27%
マイナ保険証の利用割合は1%か2%という印象ですが
この調査では24%もあり、かつ
興味のある方も34%とのことですので
(合わせて58%)
前回書いているマイナ保険証を使った場合の助成金
50%以上を達成して
1人120円ずつも不可能な数字ではなさそうです。
引用元:001189938.pdf (mhlw.go.jp)
また、会計のキャッシュレスも一段と進みそうです。
2024年02月21日
先日届いたDMについていた
診療報酬改定セミナーのご案内
ASK梓診療報酬研究所所長 中林梓さん講師で
日時:2024年3月1日(金)10:00〜16:00
参加費用:会費23,000円(税込)、一般30,000円(税込)
テキスト代、昼食代、コーヒー代を含むとのことです。
あまり意識していなかったのですが
公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会主催の
「令和6年度診療報酬改定内容と対策」セミナーは
中林さんに並ぶ診療報酬の専門家の
株式会社リンクアップラボ代表取締役の
酒井麻由美さんが講師です。
外来編:2024年3月17日(日)9:30〜12:00
入院編:2024年3月17日(日)13:30〜16:00
参加費
・日本医業経営コンサルタント協会の会員からの紹介者(無料)
・医療機関関係者(1医療機関2名まで無料)
・上記の方以外 1000円
・日本医業経営コンサルタント協会会員は協会規定に準じます(有料)
公益社団ならではの受講料です。
ZOOMで500名限定です。
2023年12月11日
2023年11月21日付『日本経済新聞』に
セルフレジ 万引き防げ
「スキャンしたふり」後絶たず
積極声かけで店員対応
精算ミスもサポートという記事が掲載されました。
記事より引用させていただきます。
スーパーやコンビニで導入が広がるセルフレジの隙を突いた万引き被害が後を絶たない。客側もバーコードをスキャンする動作に不慣れなために悪意なく精算ミスをしてしまうケースも。人手不足で従業員の目が届きにくく、業界は対応に苦慮している。これから医院も
ロイヤリティマーケティング(東京)が実施した23年の調査によると、セルフレジの利用経験がある人のうち毎回使うと回答した人は26%。「時々利用する」も含めると8割超に上った。一方で「利用したことがない」「普段は利用しない」とした人に理由を聞いたところ「操作方法がわからない」「苦手」といった回答が目立った。
対策として香川大の大久保智生准教授(犯罪心理学)と共同で対応マニュアルを作成。従業員が積極的に「お手伝いしましょうか」などと声掛けをすることで、被害拡大を抑えた。
大久保准教授は「従業員の数が減っても、客とのコミュニケーションを積極的にとることで万引きの抑止効果を見込める。セルフレジの操作に不慣れな人も従業員に尋ねやすくなり、ミスによるトラブルも減るはず」とみる。
セルフレジが増えてくると思いますので
スタッフから操作のご案内や
積極的な声掛けが
大切になってきそうです。
2023年10月19日
昨日につづきで
すべての医療法人が経営情報を
GMISにより報告することが義務付けられました。
決算書の報告は
申告業務をして下さっている会計事務所さんが
ある程度できる内容ですが
職員の職種別人員数と給与の内訳は
かなりややこしくなります。
決算書の給与総額
(8月決算なら9月〜8月の給与)
でも良いし
前年の1月〜12月のお給料でも良いようですが
看護職員の中でも下記の4つに区分。
・保健師
・助産師
・看護師
・准看護師
リハビリスタッフも
・理学療法士
・作業療法士
・視能訓練士
・言語聴覚士
給食(栄養士等)は
・管理栄養士
・栄養士
・調理師
事務職員は
・事務(総務、人事、財務、医事等)担当職員
・医師事務作業補助者
・診療情報管理士
と区分してあります。
区分が困難な場合は
※マークを付ければ良いそうですが
お給料台帳を資格ごとに小計を出すようにするなど
事前の準備が必要です。
詳しくは厚労省のHPをご覧になってください。
2023年09月14日
先日、会計事務所さんにて
医療法人の経営情報報告義務化の
勉強会をしました。
令和5年8月決算法人から
会計年度終了後3ヶ月以内に
病院・診療所ごとに
報告が義務化されました。
mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177753_00005.html
上記URLの「2 様式」にエクセルがあり
2枚目に「職種別給与総額及びその人数に関する情報」
というものがあります。
27種の職種が記載されており
さらにそれぞれ常勤、非常勤の
・給与(賞与)
・人数
を報告する必要があります。
(画像は4.診療所 ※経過措置 エクセルの2枚目です)
8月決算の法人で
9月から8月までのお給料の集計表はないので
「〇百人分手計算!」
と思っていたら
表の下の方に小さい字で注意書きがあり
「給与総額の対象期間は直近1月1から12月31日までとする」
と書かれていましたので一安心です。
【注意点】
1.人数は7月1日時点の人数。
非常勤職員は常勤換算して記載(無理でしょうね)
2.把握している職種はすべて記載すること。
記載が困難な職種には「※」を記載。
3.役員兼務のDr.、看護師さんは
役員報酬と給料を区分して計上。
歯科助手兼務受付けのスタッフはどう区分?
など、「?」を書き始めたら
キリがなくなりそうですが
お給料台帳の区分を
早めに細かく修正しておくしかないでしょうね。
2023年09月13日
先日、会計事務所さんにて
医療法人の経営情報報告義務化の
勉強会をしました。
令和5年8月決算法人から
会計年度終了後3ヶ月以内に
病院・診療所ごとに
報告が義務化されました。
報告方法は
・医療機関等情報支援システム(G-MIS)へ入力
・都道府県担当者へ郵送
のどちらか。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000177753_00005.html
【注意点】
1.複数の事業所、分院がある場合は
それぞれに報告が必要なので
きちんと別れた決算書を作っておかないといけない。
2.令和6年4月以降に
介護施設、事業所も報告が義務化されるので
準備しておく必要あり。
3.経営報告の科目区分に注意
収入科目は労災、自賠責、健診、予防接種が
きちんと区分されているか。
経費は消費税課税対象費用を区分。
委託費のうち給食委託費は区分。
人件費の中で消費税課税対象費用を区分。
などなど。
決算後に
期首に遡って数字をひろうのは
相当な手間になりますので
早めに科目設定を変更しておきましょう。
2023年09月01日
(株)メディカルサポートシステムズの細谷邦夫さんが
Facebookに掲載して下さり知ったのですが
医療法人決算届がかなり追加されます。
厚労省のチラシより
医療法人は、病院・診療所の経営情報の報告が義務化されます!8月決算法人は
医療法人は、
これまでの事業報告書等とは別に、
令和5年8月以降に決算期を迎える法人から
毎年、会計年度終了後、原則、3ヶ月以内(※1)に都道府県へ
病院・診療所ごと(※2)の経営情報を報告することになります。
※1 医療法第51条第2項に該当する大規模な医療法人は4ヶ月以内
※2 介護施設・事業所も令和6年4月以降、医療法人と同様に報告を義務付け予定
11月にネット上での報告が必要ですが
報告内容が
損益計算書と給与人員報告。
損益計算書は消費税の課税仕入と
非課税仕入に分けるのがかなり面倒。
でも決算を転記入力すればできます。
そして給与の報告は
医師、歯科医師、看護師、准看護師、栄養士、調理師など
26種類の資格が記載されていて
それぞれの常勤と非常勤の人数、給与、賞与を
入力するフォームです。
病院はかなり手間。
クリニックでも
医師、事務、作業補助者や診療情報管理士ごとの
給与の集計ができていれば良いのですが
本当に面倒なことになりそうです。
これからはお給料区分を
この届出に合わせて修正していくと良いと思います。
2023年05月01日
医療に慣れている会計事務所さんんと
そうでない会計事務所さんは
決算書を見るとすぐにバレます。
先日困った事例は
入院患者さんの窓口負担金
(保険診療の本人分+自費分)が
入院収入ではなく
その他の収入に入れているのではないか、
という損益計算書でした。
・社保請求収入、窓口負担分
・国保請求収入、窓口負担分
・自費収入
・物品販売
など、きちんとわかる様な科目設定を
しっかりして欲しいと思います。
通帳に振込される社保・国保と
窓口負担金は同じ保険収入です。
最近ではクリニックでも
介護保険を請求する医院さんも増えてきていますので
経費・原価だけでなく
収入も医療機関に合わせた設定にしていると
医療に強い会計事務所になります。
2023年04月25日
昨日に続き
財務諸表の勘定科目ですが
・医業経営コンサルタント的には
厚生労働省の医療経済実態調査の
アンケートに記入しやすい様に
科目を揃えておいていただきたいと思います。
・病院会計準則に沿って
科目を作っておいてほしい。
・補助科目を上手に作って
細部をチェックしたい時に
すぐに見られる工夫が欲しい。
そして
原価率や人件費など
経営分析に必要な科目は
適切に処理して欲しい。
などです。
入院患者さんの給食費が
賄い費で人件費に入っている。(原価へ)
教養娯楽費、日用消耗品費など
入院・入所者さんからいただいて
使っている費用も原価にして欲しい。
衛生費、医療材料費などもきちんと
原価のものは原価にして欲しいと思います。
30歳で会計事務所に転職し
一から医療を勉強したので
現役の皆さんも
医療・介護の勘定科目を勉強して欲しいです。