2022年10月12日
“もったいない”ではなく
“もったい大事”という言葉を
江戸しぐさでは使います。
「もったい」を辞書で引くと
ものものしいこと、ですが
『江戸しぐさ事典』でひくと
もったい大事
【もったいないからすべてを大事にしよう】えどの町は住民一人ひとりにエコロジーの思想が行き渡っていた。一枚の浴衣がいい例だ。木綿を作った人、糸を作った人、生地を作った人、仕立てた人への感謝の気持ちを忘れず、古くなればまた寝巻にした。次いで赤ちゃんのオムツに、もっと古くなれば雑巾にと、徹底して使い込んだ。燃やして灰にした後も使い出があった。水に溶ければ洗剤になる。日本酒の酵母にかければ雑菌が死んで、発酵が効率よく進む。染物に使えば染のあがりがよくなった。もちろん肥料にもなった。すずたけの子供の頃は
鴨居を踏んではいけない
畳の縁を踏んではいけない
と躾けられました。
大人になってから理解出来ましたが
皆が鴨居を踏んで歩くと
その柱が少しずつ下がっていき
建物の構造がゆがみ
扉がスムーズに開かなくなってしまいます。
また、畳の縁も
畳表(たたみおもて)は
い草が痛んだら張り替えられますが
縁はそのまま残りますので
擦り切れないように
縁を踏まない、という所作が生まれたと思います。
この様に
本質的なことを思草に表すのは
さすが「江戸しぐさ」ですね。